『好き』を伝えたい
「みんなに報告しなきゃな」

駅へと手を繋いで歩き出したとたん、亮太さんが言い出した。

「みんな?」

「今日のメンバー。なんか、オレさ、アイツらに、未来への気持ちバレバレだったみたいで、サッサと告白しろ!ってずっと言われてた。特に山下なんか恐かったよ」

…全然知らなかった…。

杏子さんだってそんな事一言も言ってなかった。

「情けない男だと思う?」

不安そうに私を覗きこむ亮太さん。

「ううん、嬉しいです。」

ずっと好きだった人が、自分を好きでいてくれた。
周りの温かい仲間が、恋を見守っていてくれた。

「もう、毎日会えないんだなぁ、亮太さんにも、みんなにも…」

ダブルの幸せは、同時に寂しさも感じさせた。

「…これから未来は、新しい職場で慣れるまで大変だと思う。仕事のことは、話聞くことしかもうできないけど、オレ、未来を支えていきたい。これからずっと」

まっすぐ前を向いて、亮太さんは繋いだ手を強く握りしめてくれた。

「はい、私も亮太さんの支えになりたいです。」

私も握り返すと、亮太さんは私を優しく見つめ『頼もしいなぁ』って笑った。


見ているだけで、話せるだけで幸せだった。
溢れだした『好き』を伝えたら
『未来』へと続く恋にかわった。


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