『好き』を伝えたい
「女々しいんだけど、勇気が出せなくてさ。ダメだった時に気まずい思いをしたくなかったし、させたくなかったし…でも、仲村さんが辞めるって聞いて、うん、決めた」

『何をですか?』て顔をしていたのだろう。

『やっぱりわかってない』と櫻井主任は笑って

「オレも君が好きだよ。『現在進行形』でね?」

そう言って私を優しく抱き締めた。

「…ほ、ホントにですか?わ、わたし、ですよ?」

信じられない。夢をみているようだ。

「ホントだよ。『仲村未来』が、大好き」

言葉と一緒に強く抱き締めてくれ、夢じゃないと証明してくれる。

「私も『櫻井主任』が大好きです。」

主任の背中にまわそうと手を伸ばすと、『違うでしょ』と体を離された。

「『主任』じゃないでしょ?もう上司じゃない。未来のことが好きな、ただの男だよ?」

『だから名前で呼んで』と耳元でささやかれる。

「…『櫻井亮太』さんが大好きです」

優しく笑った亮太さんに、私から抱きついた。



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