見えない・・心

···奥様からの手紙


それから、しばらくして
二人は、ホテルに戻り
淕は、榎音をお風呂に入れて
身体を温めさせた。

淕も入り・・・
ソファーに座る榎音に

「榎音、これを読んでみて。」
と、淕は封筒を渡した。

榎音は、封筒と淕を交合にみていると
淕は、微笑みながら
ベットルームへ行った。

榎音は、淕の後ろ姿を見て
そっと、手の中にある
手紙を開いた。

それは・・・
淕の亡くなった奥様からの手紙だった。

淕と過ごした幸せな時間のお礼と感謝が
綴られていた。
そして、理人の事が書かれていた。

素敵な夫婦で、奥様は
良き妻、良き母親だったのが
見てとれた。

下に目をやると
「あなたにクリスマスイブの日
無理矢理ディナーに
連れて行って欲しいとお願いしたのは、
私の最後のヤキモチかな。

ある時から、あなたはとても温かな眼差しを
するようになりました。
私にでも、理人にでも
向けたことのない。

あなたが、浮気?とかするような
人だと思ったことは、一度もないの。

だけど、あの眼差しを私にも
向けて欲しくて。

でも、あの港futureのイルミネーションで
とても綺麗で儚い感じの女の子が
一人で立っていた。

その子は、淕、あなたを見て目が開いたの
あなたも「バカが‥‥」と呟いたの。

ああ、この子なんだ。

淕にあんな顔をさせれるのは。
と、わかったの。

私は、本当に大事に大切にして頂きました。

これからは···淕は、
淕の幸せな時間を過ごして下さい。
いつか、彼女に
意地悪をしてごめんなさいね
と、謝っておいてね。

高城 淕 様      
           綾 香 。

と、記載されていた。
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