見えない・・心

···不思議な娘


家庭教師の日に
かすみから連絡があって
「淕、榎音の体調が悪くて
しばらくは、ゆっくりさせるから。」
と、言われた。
「あの日か?大丈夫なのか?」
「うん、熱が下がらなくて。
佑斗がいうには、肺炎の一歩手前。
淕、連絡ありがとうね。
あのままだったら、どうなってたか。」
「いや、俺も悪かった。
見舞いできるか?」
「いえ、移っても行けないし。
また、連絡するわ。」
と、言われた。

俺は、気になり
毎日、ラインをした。

一週間経った位に
『ごめん、淕。
榎音が、会いたくない
と、言うから』
と、返事がきた。

年末には、
「榎音が、家庭教師を辞めたい・・と
先生にご迷惑おかけしました
と、伝えて欲しいって。
淕、今までありがとね。
淕のお陰で良い高校にも入れた。
ごめんね、沢山迷惑かけて」
と、かすみから電話がきた。

俺は、榎音の容体を訊ねたが
まだ完治をしていないが
熱も下り、食事も取れるようになった
と、聞いてホッとした。


俺は、この家庭教師を辞めてから
誰にも個人的に教えることは
なかった。

そして、榎音の会えなくなって
寂しさを感じていた。

榎音・・不思議な子だ。
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