見えない・・心

···理人


理人・・

荻野には、悪いけど
子供が、できたとか、言われても
ピンとこない。

それに、今は榎音が
一人になって・・・
もう一度、俺に振り向いて欲しい
ただ、それだけを考えていたから

あの後、潤平と話して
荻野は、子供はあきらめると
言っていたから
きちんとしておいた方が良い
と、なって
彼女の身体の負担を考えて
お金を渡すことにした。

潤平から、荻野の友人に
それから本人に渡るように。

その事をきちんとしてからは、
俺は、薄情な事に
荻野の事は、忘れていた。


榎音とは、電話で話したり
たまに食事をしたり
休みの日にあったりしていた。

榎音は、電話では
近況報告だけを話して
食事や休みの日も
毎回 断ってくるが
「俺が、暇なんだよ
   付き合ってよ。」
と、半ば強制に。

会えた時に
俺は、何度も
気持ちを伝えるが
榎音からは、
決して良い返事は
もらえなかった。
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