誰も知らない彼女
それにルックスもいいし、性格もよさそうだし。


クラスメイトの大半に囲まれているその女子の名前は、朝丘 若葉(あさおか わかば)。


サラサラとした黒髪のセミロング。


派手というわけでもなく地味というわけでもない端正な顔立ち。


“きれい”と“可愛い”の中間くらいの雰囲気。


身長は私や由良よりも高い。


クラスでも数少ない清純派女子。


由良とは別世界の人みたいだ。


由良はミディアムボブの明るい茶髪。


清純派の若葉に対抗するかのように、少し派手なメイクをしている。


身長は私より6センチ低い。


だからといって、由良が可愛くないというわけではない。


話したことのない若葉よりも由良のほうが信頼できるから、由良と一緒にいるのだ。


「はぁーあっ。またあの朝丘若葉、学年1位なんでしょ。つまんな〜い」


頬杖をつきながら深いため息を吐く由良。


由良は、テストで常に学年1位に君臨する若葉が好きではないのだ。


むしろ嫌っていると言っていいだろう。


ただ、そのことを一般的には『嫉妬』というらしいけど。


「あんなやつ、最下位でもいいじゃんか〜。私にとって最下位だよ、朝丘若葉は」


「あ、あはは……」
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