あずゆづ。

『お客さん、お会計ですか?』


そう言ってさりげなく私を自分の背中側に引っ張ってくれた。

……助けてくれた……って、思っちゃってもいいのかな。


『あとで覚えてろ』


話しかけてくれた。


―――嬉しかった。


ゆづくん、ゆづくん。


私、まだ嫌われてないって、思ってもいいですか……?

また、仲良く話せるって、期待しちゃってもいいですか……?



「大丈夫、ごめんねゆうちゃん」

「うん…」


心配してくれているゆうちゃんにそう声をかけ、一緒に自分たちの席へ戻った。

戻るとき、またちらっとゆづくんの方を見ると。


「!」


また、目が合った。



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