あずゆづ。

***

「面目ないデス……」

「てめえマジふざけんじゃねーぞ」


近くの公園のベンチにて、鼻血が止まるのを待っていた。

ティッシュ、まだ常備しててよかった。

どくどくと溢れ出る血を止めるのも、最初はすごく戸惑っていたが。

今ではすっかり、鼻の抑え方も慣れたものだ。


「……ふふっ」

「……鼻血噴きながら笑ってんじゃねーぞメガネ女」

「なんか、初めて一緒に帰ったときもこうして一緒に座ったなあって。

思い出したら、なんか嬉しくなっちゃって」


「………そーかよ」


ゆづくんは、ベンチの背もたれに両手をかけ、足を組んで空を見上げていた。

そんなところも全部、かっこよく見えてしまうのは

きっとゆづくんが今、タンクトップ姿だからだもん……。


私が、ゆづくんと二人でいる時に感じるこのドキドキは、

全部全部、ゆづくんのパーフェクトマッスルのせいなんだもん……!



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