あずゆづ。


「私、ゆづくんに嫌われちゃったんじゃないかって

すごく不安で」

「………」


ティッシュで鼻を押さえながら、おもむろに話し出した。

またなにか怒号が飛んでくるかと思ったけれど、隣にいるゆづくんは、意外にも静かに聞いてくれている。


「なんか、よくわからないけど………」


ゆづくんに、私が今思ってること、伝えなきゃ。

ちゃんと、仲直りするために。



「ゆづくんに悪いことしちゃったな……って思って」


うん、ほんと、よくわかんないんだけど。

ゆづくんがあの時、どうして怒ったのかも、

ひよりに「あずが悪い」って言われた理由も


ぶっちゃけた話、よくわかってないのが正直なところなんだ。


でも、第三者であるひよりが私の話を聞いて、それで私が悪いと言うのなら

きっと私が悪いんだ。


……それなのに。


「私、さみしかった」

「……」

「昼休みから今まで、ゆづくんと話さなかっただけなのに

………さみしかった」



たった数時間だよ?

その間、目も合わせてもらえなくて

話すこともできなくて。




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