あずゆづ。

「……いいから、帰るぞ」

「え……」


そっと、ゆづくんが私から離れる。

まだ、話は終わってないのに。

けど、ゆづくんの表情がまた、ケンカをしたときのような寂しそうな表情だったから、それ以上なにも言えなくなってしまった。


「あの、ゆづくん、これ…!!」


ゆづくんに、かけてもらっていたワイシャツを返そうと差し出した。


「………」


ゆづくんは、私からそれを黙って受け取ると。


「え?」


そのまま私の肩にかけてくれた。


「冷えるだろ、着てろ」

「………うん…」


また、怒られちゃうかも。

だって嬉しくて、にやけちゃう。


「とりあえず、明日」

「?」


ゆづくんは先に歩き出して、私に背中を向けたまま続けた。


「……悠太とのこと、ケリつけてこいよ、メガネ」

「………ケリ…」


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