あずゆづ。


……つまり。


「き、キックの練習しておかなきゃ…!」

「ちげーだろどこまでバカなんだてめえはよぉっ!!!」


あれ!?

違いました!!?


「……ちゃんと返事しとけって言ってんだよ」

「あ、返事か……」

「当たり前だ馬鹿野郎!!」


ああ、なんかすごく久しぶりだ。

よくわかっていないまま強引に、めちゃくちゃに怒鳴られるこの感じ……。


「早くしねーと、奪っちまうからな」

「え?」


なにか、ゆづくんがつぶやいたような気がしたんだけど

その声が小さすぎてよく聞こえなかった。


「いいから、行くぞメガネ!!」


そう言って、私に向かってゆづくんは何かをぽんっと投げてきた。


「!!」


慌ててキャッチしたそれは、さっきまで私のおでこに当てられていた缶ジュースだった。


「オラ、置いてくぞ!!」


「は、はいい!!」



なんにせよ。



仲直りできたってことで……

いいってことにしてもいいですよね?

ゆづくんっ。


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