あずゆづ。

「……き、きのうのあれというのはいったい……」


ごしごしと口を拭きながら再度聞き返す。

……動揺で漢字に変換できないままだ。


「キス」


……デスヨネ!!!

ゆづくんがあまりにもさらっと言ってしまうものだから。

なんだか余計に恥ずかしくなってきた!!!


「あ、あ、あれは、その……!!」


あたふたする私をみて、にたりと笑うゆづくん。


「あ!その顔ずるい!!」

「あ?」

「ゆづくんそれは反則!!」

「俺の勝手だろ」

「!!」


そっと抱き寄せられる私。

ゆづくんは腰を下ろしているが、私は興奮で立ち膝になっているので

必然的にゆづくんを見下ろす形になる。




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