あずゆづ。

最近、俺のカノジョになったばかりの和泉 梓が

小さな女の子になって俺の体の上で寝ているようにしか見えない。


……そんなこと、あってたまるか。


俺はそいつの首根っこをつかむ。

そのまま腕を上げると、小さな体は容易に宙ぶらりんになった。


「んあ…?」


さすがに起きたそいつは、眠そうな目でこちらを見る。


「…おはよ、ゆづくん」


そして、にへら~っと笑ったのだった。


「………」


俺を、『ゆづくん』と呼ぶのは俺が知る限り梓しかいない。


「……てめえ…梓か」

「そだよぉ……あずさだよぉふわああ……」


自分の体が小さくなっているというのに

なにを悠長にあくびなんてしてんだカス。



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