あずゆづ。

そのあと私たちは、運ばれてきたパフェとクリームソーダを堪能して、お店から出た。

うん、意外とおいしかった。

しかもあんなに素晴らしい筋肉の持ち主の店員さんも発見できたことだし、今日はとてもいい日になったぞ。

喫茶店から出てすぐ、ゆうちゃんは私と向き合ってにこりと笑った。


「ありがとうね梓ちゃん」


お礼を言うのは私の方だ……。

だってあんなに素晴らしい筋肉の持ち主の、しかも女性を見つけることができたのだから。


「あ、いやこちらこそ………」


目の前にいるクラスの王子様:ゆうちゃん。

彼を前にして、私の頭のなかはゆづくんとさっきの店員さんの筋肉のことでいっぱいだった。



ほんと、どうかしてると自分でも思う。


女としてもはや終わってるよね。

考えていることが目の前のイケメンと過ごした時間より、喫茶店の体格のいい店員さんについてだなんて。

ははは、と悲しい笑みを浮かべていたときだった。



「ね、梓ちゃん」

「はい?」

「好きな人いる?」

「いいえ」

「じゃあ俺のこと好きになって?」

「…………」



んんんんん!?!?!?


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