バスから降りれそうにない
*やっぱりバスから降りれそうにない
相変わらずバス内は混んでいる。
けれど、今日は席に座ることが出来た。
それは
「愛華ちゃん、昨日も寝てないでしょ」
私の座っている横で立っている彼のおかげだ。
わっかだけだと支えきれなくて、天井近くの棒を掴んでいる。
異様に圧迫感がすごい。
「え、そんなことないよ。ちゃんと日付変わる前に寝た」
慌てて否定するも、怪訝そうな顔をされた。
「うそつかないの。目の下クマがひどくなっている」
指で、頬っぺたを撫でられてびくっとした。未だにスキンシップになれない。
「肌にも悪いよ」