過保護な騎士団長の絶対愛
「陛下! なにをしておいでですか!」

 バンッと部屋のドアが勢いよく開かれ、許可も得ずにサランが割って入ってきた。


「なんだ貴様、勝手に部屋に入ってくるとは」

「ガイル陛下、おやめください。力づくでどうこうできることではありません」

 ガイルに睨まれようが、サランは怖気づくこともなく毅然とした態度を示す。それが気に食わなかったのか、興が削がれたのか、ガイルがチッと舌打ちをして乗り上げていたベッドから身を離した。ようやく解放されたララは、ハッと我に返り乱された胸元をかき寄せた。

「この娘を地下室へ連れて行け、下手に出ていれば調子に乗りやがって」

「地下室……そんな」

 サランがガイルの言葉を聞いて感情を乱した表情に変わる。すると、あとから数人の兵士が無遠慮に部屋に入ってきたかと思うと、無理やりララをベッドから引きずり出して両脇を抱え込んだ。

「離して!」

 地下室はきっと窓もなくて寒く、冷たいところだ。ガイルはララを地下室に置いて、精神状態を弱らせようとしていた。

「ガイル様! おやめください! それではユリウス様と同じです!」


 え……ユリウス――?

 突如聞こえたユリウスの名に、ララが顔をあげて反応する。


 どうして、サランがユリウスのことを知っているの――?

「ふん、好いている男と同じ目に遭うのもいいではないか」

 声を立てて、耳障りな笑い声が背中に聞こえる。ララは抵抗できないまま、冷たく暗い地下室へと連れて行かれた。
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