過保護な騎士団長の絶対愛
「私はララ様を愛しています。ずっとずっと……十年前、初めてあなたと出会った時から」

「え……?」

 今まで以上に慈しみを滲ませた甘い声音で囁かれ、ララの胸が小さく震えた

「あなたのことだけを考え、あなたのことだけを守るために生きてきた。ララ様は私にとって唯一の光だった」

 ヴァニスでもコルビスでも異端な存在で孤独だった。そんなユリウスはララと出会ったことで生きる希望と意味を与えられた。

「愛しています。私の気持ちをこのように伝えることができる日が来るなんて、思いもしませんでしたから、気の利いたことが言えず申し訳ありません」

「そんなことない……」

 ララの頬が一気に上気してほんのり紅潮する。

「ララ様……愛することを、お許しいただけますか?」

 胸の高鳴りが極限まで近づいている。ユリウスにゆっくりと引き寄せられ、唇が触れるか触れないかの際どさを保ったまま、ユリウスにそう問いかけられる。

ララはそっと瞳を閉じた。

それが、許しを乞うユリウスへの答えだった。
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