過保護な騎士団長の絶対愛
 昨夜の舞踏会の潜入警護はおおかたうまくいった。

 舞踏会用のドレスに着替えたララを見た時、ユリウスは言葉を失うほど、その美しさに思わず見とれてしまった。ブルーサファイヤを思わせるような爽やかな藍色のドレスには、純白の真珠が花模様に縫い付けられていた。カメオ・アビレのブローチがさりげなく胸元を飾っていて、王国の華として相応しい出で立ちだった。


 ララを大広間までエスコートし終わったユリウスは、自室で使い慣れた染色粉を水に溶かして髪を染めると、白銀の髪がみるみる漆黒に変わり、髪の色が違うだけでまるで自分ではないような容姿に思えた。声もいつものトーンとは違い少し高めの声になるようにした。

この手の道具は悪用される危険があるため、通常では手に入らない。もちろんこのようなアングラな代物はララも知らない。それはある意味好都合だった。ダンスをしている時に、正体が知れたかと一瞬ヒヤリとしたが、ララは気づかなかったようだった。


 大広間で、ララがエセ貴族と踊っている間、ユリウスは遠目でその様子を窺っていた。あれだけダンスの訓練を昔から教え込んだというのに、ララのダンスは相変わらずだった。


 そのおかげで、エセ貴族から愛想をつかされたのか、ララがひとりになったのを見計らってユリウスはララに声をかけた。


 ララとダンスをしたのはしばらくぶりだった。ダークブラウンの長い髪をアップに結い上げ、ほんのり化粧を施し、ララの美しさを藍色のドレスが際立たせていた。そしてなによりララがトレイビーの髪飾りをこの日のために大事にしていてくれたことが嬉しかった。
< 93 / 203 >

この作品をシェア

pagetop