甘きゅん恋愛のすすめ



「さ、佐々木くん……あたしの名前呼んだ?」



「呼んでた呼んでた。行ったほうがいいんじゃない?」



「え…………」




あたしの席は教室の真ん中で、佐々木くんが名前を呼んで、みんなの視線があたしに集まる。



……逃げ道も隠れるところもない。



「ふわ子」



どうしようか一人でわたわたしていると、気づけば目の前に佐々木くんがいて。



「あ、あの、佐々木く……」



「今日の放課後、風紀委員会室に来て」



そう、優しくあたしの耳元で囁いた。

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