甘きゅん恋愛のすすめ
「あ、おい風花、今まで何して……」
部屋の外で待っていた空くんなってほったらかしで、あたしはドンドン廊下を歩いていく。
「ーーーえ?おい風花!?」
いつもなら嬉しいはずの空くんの呼びかけも、今日は耳に残ることなく抜けていく。
やだやだやだ。
あたし、なんでこんなにドキドキしてるんだろう。
前髪についた、パンダのヘアピンに触れる。
何も知らない、佐々木くんのこと。
ーーーなんでこんなに考えちゃうんだろう。