甘きゅん恋愛のすすめ



あいつと言う言葉に、あたしの頭の中に浮かんだのは佐々木くんの顔。



『ふわ子』



優しく、あたしの前を呼ぶ声。



「……っち、ちがうよ……」



「じゃあ、何考えてたの?」



ずいっと空くんの顔が近く。



「……っ、近いよ!空くん!」



「風花、お前は俺の幼なじみだよな?」



「ーーーえ?う、うん……」



いつも言われていた言葉。
幼なじみの関係は、近いようで遠い存在。



あたしは空くんの幼なじみで、抱き枕。



それ以上でもそれ以下でもないってこと、よくわかってるよ。

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