甘きゅん恋愛のすすめ



でも、それでも見ている人にそう感じさせなかったのはーーー……。



「うるさいクソチビ。僕に逆らうな、消すぞ」



相手のほうが人数だって多いのに。



ひるむ様子もなく謙はそう言い、周りの奴らを睨んでいたから。



とても低い声、冷たい瞳で。



「それに、この髪色は、僕に似合ってるからいいんだよ」



髪色でからかわれたら、謙はいつもそう言っていた。



わざわざ深く聞いたりはしないけど、何だか謙なりに思い入れがあるみたいな言い方だった。
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