やりなおしちゃってもいいんですか?
本当はもう答えは出ている。

だけどどうしてもネガティブ思考がつきまとってしまう。

素直になればいいだけなのに・・・

浩二に返事をしなかった後ろめたさがある私はトーストをかじる程度に

食べると逃げるように台所へ移動した。

だが、顔に出てしまう私に浩二が気付かないわけがなく

「何してんの?」

浩二が台所に立つ私の横に立つ。

「え?・・・さ、さっき買った食材を盛り付けようかな・・・って。
すぐに出来るし、浩二は座っててよ」

まな板の上に置いたチーズの袋を開けようと手にする。

「お前って・・・本当にさ~わかりやすいな」

浩二は私の手からチーズを取るとまな板の上に置く。

「な、何が?」

見透かされてるとわかってても悪あがきするようにわざとらしく

聞く自分が情けない。

浩二は宥めるように両肩に手をのせポンポンと叩く。

「自分の気持ちに気付いているのにそれを認めたくないのは怖いから・・・だろ?」

本音を言い当てられ私は何も言い返せなくなり下を向く。

すると浩二は小さく溜息をこぼしながら話し続ける。

「あのさ~復縁したからと言って喧嘩や意見の食い違いがなくなるとは思わないよ。
だって、俺たちは育った環境も考え方も違うんだからね。
要はここの問題」

浩二は自分の胸を軽く叩くと私と同じ目線と高さに合わせ話を続ける。

「もし意見の食い違う事があっても勝手な憶測や思い込みは捨てて、どうしたらいいのか
納得するまで2人で話し合えばいいんだ。
8年前はお互い思い合っていたにもかかわらずそれが出来なくて俺たち別れちゃっただろ?
俺はもう二度と同じ轍は踏まない。
だからさ・・・メグの本音を聞かせてくれ」

真っ直ぐな目で私を見る浩二に私は再会してからの日々を思い出す。
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