やりなおしちゃってもいいんですか？

最初は神様の悪戯･･･いや、嫌がらせかと思った。

好きだった･･･だけど自分の心の選択ミスで

最悪な別れ方をしたんだから・・・

だから浩二とこうやって再会するなんてあり得なかった。

それなのに再会するなり寄りを戻したいと告白され

私の気持ちとか無視するかのように

ぐいぐいと私の領域に入ってきてどうしたら良いのか戸惑った。

だけど心の奥底では嬉しいという気持ちがなかったとは言い切れなかった。

そしてあの泥棒事件以降オブラートにくるまれた好きという気持ちが

徐々に大きくなっていた。

だけど私はどうしても苦い過去にとらわれて素直になれなかった。

そのくせ、浩二が自分以外の女性と仲良くしていることに自分でも驚くほど

嫉妬して･･･好きだと認めざるを得なかった。

でも・・・私はここぞと言うときに限って素直になれなかった。

今だってそう･･･

のど元まで出かかっている好きという気持ちがなかなか出せないでいた。

だけど浩二はそういう私を全部わかった上でやり直したいって言ってくれた。

じゃあもう私が言えることは一つしかないじゃない。

私は

小さく深呼吸をすると浩二の目を見つめた。

「･･・一緒に･･･浩二とずっと一緒にいたい･･･」