やりなおしちゃってもいいんですか?
チラリと母を見ると感心するように胸元で両手を握る。

「彩ちゃん凄いじゃない。自分の為に自分磨きをすることはあっても
人の為にっていうのは今時あまりないんじゃない?うちのメグなんて
料理も家事も人様に自慢できるレベルじゃないし・・・彩ちゃんみたいな子がうちの
娘だったら良かったのに・・・・ね~~」

わざとなのか本気で・・・なのかわからないが私を出汁に使ったのが

よかったのか彩ちゃんの表情が少しだけ柔らかくなった。

ま~~ライバルをけなされて喜んでるのだろうなと言うのだけはわかった。

彩ちゃんが嘲笑う様に私を見てすぐに視線を母に移す

私の事が気に入らないのはわかるけど・・・

反論出来る材料が自分にないのが悔しい。

普通に考えたら私の様に何も出来ない女より、何でも出来る女性の方を選ぶよね。

自信なくしちゃう・・・

「でも・・・メグが料理とか家事が出来ないのは母親の責任でもあるのよね。
ただ、この子も自分のやりたいことにとても真剣に取り組んでるのよ。
高校生の時にアロマと出会ってね、夢中で勉強したの。
たくさんの資格を取って今はその大好きな仕事でたくさんの女性に癒やしを与えてるのよ。
彩ちゃんとは形は違えどメグも人の為に自分を磨いたって私は思ってるの。
そんなメグを私は母として誇りに思ってるのよ」

母は私にニコッと笑うと彩ちゃんを見た。

私はびっくりして母をガン見してしまった。

だって・・・今までこんなこと言われたことがなかったんだもん。
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