やりなおしちゃってもいいんですか?
この仕事に就きたいなって思ったのは浩二と別れて落ち込んでいた頃だった。

ショッピングモールで無料のアロマ体験をすることになった。

その時受けたハンドマッサージ。体験だったから時間は短かったと思うけど

施術と香りで癒されて落ち込んでいた気持ちが少しだけ和らいだ。

それから自分の手でたくさんの人を癒したい思いで教室に通って資格を取って

今のお店でたくさんの人にアロマの楽しさを伝えている。

そのことを母に認められたようで凄く嬉しい。

でも彩ちゃんには理解出来ていないようで・・・

「だったら、メグさんはそういう人たちの為にがんばればいいじゃないですか?
私は一人でいいの。こうちゃんだけで・・・だからこうちゃんを私に返してよ」

彩ちゃんは椅子から立ち上がると涙目になって私に訴えた。

でも、はいわかりました。ってそういう事じゃない。

「返すとか返さないとか・・・そういう問題じゃないのよ。ここの問題よ」

私は自分の胸をトントンと叩く。そういえばヨリを戻す戻さないって時に

浩二が私に向かって同じ様に胸を叩いて『ここの問題』って言ったっけ・・・

でも結局は気持ちなんだよね。

「恋愛って一人で成り立つ物じゃないよね。お互いが思い合ってこそでしょ。
彩ちゃんと浩二が同じ思いって言うのなら仕方がないけど・・・浩二が
私の事を思ってくれている以上は無理よ」

彩ちゃんは唇を震わせ大きな声で泣き出した。

下手に同情したくないし、望んでもいないだろうし・・・

私は泣いている彩ちゃんから母に視線をうつす。

母はうんと頷くと彩ちゃんの背中を優しく摩った。
< 127 / 161 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop