やりなおしちゃってもいいんですか?

譲れない思い

どのぐらい経っただろう。彩ちゃんのまわりに散乱している

ティッシュでどれだけ泣いたか想像出来る。

「落ち着いたらこれを飲んでみて」

母が少し落ち着いた彩ちゃんに差し出したのはレモンバーベナ茶。

ほのかにレモンの香りのする少し甘みのある飲み易いハーブティーだ。

「・・・おいしい」

泣きすぎたせいか彩ちゃんの声は少しかすれていた。

「おいしいでしょ~。うちにはいろんなハーブティーがあるのよ。
そうだ!メグ。折角だから彩ちゃんにハンドマッサージしてあげたら?」

「え?」

恋敵にハンドマッサージってありなの?

大体、彩ちゃんの方が嫌がるでしょ・・・と母に訴えるように見る。

「メグのハンドマッサージは絶品よ。私も疲れてるときにお願いするんだけど
気持ちよすぎて眠っちゃうのよね~」

母の勧誘に彩ちゃんはまんざらでもなさそうに私の方を見る。


・・・やって欲しいんだ。


「じゃあ・・・ちょっと準備するよ」

複雑な思いで2階に上がると自室から

ラベンダー、タンジェリン、イランイランなどをブレンドした

リラックス効果のあるオイルを用意した。
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