君のために未来を見よう〜教王様の恩返し〜
プロローグ
教王様ご崩御。


この第一報は、イルタ大教会を起点とし、波紋のように一気に国中に広まり渡った。

齢八十を超えた老媼でもあったため不自然な事ではなかったが、それでも人々は深い哀惜の念で受け止めた。

それと同時に、次期教王が誰なのかも重要な関心事だった。
教王は血の継承ではなく、指名で選ばれる。
神託を受けた教王がその者の名を宣言し、次期教王が決定される。

男なのか、女なのか。
成人なのか、老人なのか、もしくは子供なのか。

戴冠式を終え、大教会のバルコニーでその姿を見せるまで、市民は詳細を知らされない。

それでも、市民の願いは一つだった。

強い力を持った教王の即位だった。
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