あずゆづ。2

「ゆづくん、そういえば昨日の放課後、何してたの?」

「あ?」


ピシッと表情が歪むゆづくん。


「…バイトだよバイト」

「え、だって前お姉さんに『落ち着いてきたからしばらく休みもらった』って……」

「……お前は知らなくていい」


そう言ったゆづくんの表情が

いつも見てきた中のどれよりも真面目だったから

ああ、踏み入っちゃいけない内容なんだって思った。


「…わかった」


そっと下を向いて、そう返事をした。


本当は知りたくて知りたくて仕方ないけどねえええ!?


…だけど。


「うん、私ゆづくん大好きだから」

「あ?」

「大好きなゆづくんのこと信じる」

「……」


そーかよ、と言ってそっぽを向いたゆづくん。


そうだ。

どんなに振り回されたって、信じよう。


私の大好きな人なんだから。



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