あずゆづ。2

「先生、鍵開いてるって言ってたのに…」


間違いない。

間違えるはずない。

ドアの向こうから聞こえる声は

紛れもなく、梓のものだ。


俺は息を殺してドアの向こうを見つめる。


来るな。

来るな。

今すぐどっか行け。

大人しく教室で待ってろよ。

何しに来てんだよ。


…馬鹿野郎……!!!


「ちょっとぉ~」

「!?」


俺の隣で、女が急に声を上げた。


こいつ、何考えて……っ


「こんなとこで、ダメだよゆづ~」



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