いじめっ子には愛の鉄槌を







「桃華ちゃん?」




不思議そうにあたしを呼ぶ晴哉さんの声で我に返る。

いけないいけない、今は大切なデート中だ。

晴哉さんに集中しなきゃ!




慌てて晴哉さんを見ると、



「どこか具合が悪いの?」



あたしを心配してくれる。

晴哉さんは本当にいい人だ。

晴哉さんと付き合えたら、きっと幸せになれるのだろう。





「いえ、少し仕事で疲れてしまって」



そう言い訳するあたしに、



「そっか。今日も無理矢理誘って申し訳なかったね」



晴哉さんは告げる。

だからあたしは慌てて言っていた。




「違うんです!

今日は晴哉さんからお誘いがあって、本当に嬉しかったです!

晴哉さんといると、嫌なことなんて忘れてしまえそうで……」


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