いじめっ子には愛の鉄槌を
ぼーっとしているあたしを、
「桃華ちゃん、大丈夫?」
鮎川さんが心配してくれる。
思わず飛び上がり、
「ははははい!大丈夫です!!」
上ずった声で返事をするあたしを見て、淳太君は鼻で笑った。
ほら、淳太君は平気なんだ。
あたしのことなんて、意識すらしていない。
挙句の果てに、大失敗をして赤木さんに激怒される始末。
最悪だ、淳太君の呪いはたいしたものだ。
そんなあたしに救いの手が差し伸べられる。
「桃華、一緒にランチ行かない?」
素敵同期梨乃からランチのお誘いがあったのだ。
この席から逃げ出したいあたしは、弁当を持ってきているにも関わらず、梨乃とオフィスを飛び出していた。