いじめっ子には愛の鉄槌を





隣の席の淳太君は何も言わず、英語の資料を黙々と見ていた。

そんな淳太君にやっぱりどきんとしてしまう。

昨日のキスを思い出して、また胸の奥底がきゅんと甘い音を立てた。

それを打ち消すように首を振る。




淳太君なんて大嫌い!

はやく恋愛感情に終止符を打たないと!!




そんなあたしの視線に、淳太君は気付いてしまう。

すました顔であたしを見て、



「藤井、どうした?」



そう聞くものだから、



「何でもありません!」



真っ赤な顔でぴしゃりと言い退け、前を見た。

最悪だ、公私ともにこうも淳太君に振り回されるなんて!



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