いじめっ子には愛の鉄槌を





思い返せば同居して、いいことなんて一つもなかった。

ご飯を作らされるし、のび華と馬鹿にかれるし、ベッドシーンを披露されるし。

恋の邪魔だってされたし、キスされた。

淳太君がいなかったら、今頃晴哉さんと幸せになれていたかもしれない。

淳太君はそんな不幸の塊のようないじめっ子なのに……

ふとした時に見える優しさや、さりげなくあたしを守ってくれる姿にどんどん嵌っていったんだ。

あたしは愚かだ。

柊君や淳太君みたいに望みのない人に恋をして、散々自分を痛めつけるのだから。



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