いじめっ子には愛の鉄槌を






長い長いキスのあと、ゆっくりと離れる唇。

吐息まじりに淳太君はあたしに告げた。





「桃華……好きだ」





その言葉が信じられない。

目を丸くして淳太君を見ると、淳太君も真っ赤な顔を歪めてあたしを見ていた。

こんな必死な淳太君を見るのは初めてだ。





「今も昔も……桃華が大好きだ」






淳太君はぎゅっとあたしを抱きしめる。

もう二度と離さないとでも言うように。

その胸の中でひとときの幸せを噛み締めながら、近付く別れの時に怯えた。




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