いじめっ子には愛の鉄槌を
再び唇を合わせ、今まで我慢していたものを吐き出すようなキスをする。
甘く激しく貪り合うそのキスに、胸が悲鳴を上げて苦しんでいる。
淳太君が好きだと思う。
溢れ出てくる好きが止まらないほど。
やがて名残惜しそうに唇が離れ、静かに淳太君が告げる。
「こうなるのが怖くて、本当のことを言えなかった。
気持ちが通じ合わなかったら、俺がシンガポールに行ってもお前は平気だろうと思って。
でも、晴哉と楽しそうにデートする桃華が許せなくて、我慢出来なくなってキスした」
その言葉が胸に染み込む。
そして、胸が甘く疼く。
運命は残酷だ、やっと両思いになれたのに、あたしたちはもうすぐ引き裂かれるのだ。
「俺は弱い男だ、自分の愛を素直に受け入れられず、お前を貶したり無理させたりばかりしていた。
それで昔も今も、お前がどれだけ苦しんだか……」