いじめっ子には愛の鉄槌を
そんなあたしだが……
あたしのお母さん、実は結構有名なバンドのボーカルを務めている。
もちろんお洒落にも気を配るタイプで、「桃華ちゃんのお母さん、綺麗でいいね」なんて昔から言われていた。
そんなお母さんが羨ましくて……あたしは、某化粧品会社に就職したのだ。
社会人になって変わろうと思った。
そして、柊君よりも魅力的な男性を見つけたいと思った。
……そう、あたしは頭がいいだけで、考えていることはごく普通の女の子なのだ。
「ははっ。
どうせ桃華は一生独身で、勉強とともに生きるんだ!」
「うるさいな、斗真!
斗真がびっくりするくらいの素敵な相手と結婚してやるんだから!!」
そうやってあたしは、二十二年間慣れ親しんだ家を飛び出した。
新しい生活に夢と希望を抱いて。
それがまさか、こんなことになるなんて!