きみいろ~そして二人は恋をする~
二人が15歳になると、国王は二人に北部離宮周囲のある領地の運営を任せた。
そこは、貴族に見放された非情に貧しいところで・・・。
そこに住む人たちは、貴族にも王国にも、何も期待はしていなかった。
日々生きることが精一杯で、そんな余裕すらなかったのだ。
だから、最初は二人の事など相手にもしなかった。
どうでもいい存在だった。
「おっ殿下、久しぶりですね・・今日は視察ですか?」
「ああ、例の場所の状況を確認に・・・最近の生活はどうだ?困っていることはないか・・・}
「いえ、困っているのはあそこだけで・・・。今は特に問題ないですよ。殿下たちのお陰で、過剰な税徴収も収まりましたし、査察官の方も、とても親身に考えてくださってます。」
「そうか・・・。それはなによりだ・・。また何かあれば遠慮せずいうのだぞ・・・私たちは、離れても、皆と傍にいる・・」
「はい・・ありがたいことです・・・。」
最初はわだかまりも多くあり、民との距離感も困っていた二人だったけれど・・・。
今ではこのような距離感で、民と接している。
王宮に移ってからはあまり頻繁にこれないけれど・・・。
二人はその目で直接見ることの大切さを改めて感じていた。