愛し愛され
「痛いよ!まま!痛い!」
「うるさい!あんたたちさえいなければわたしだってうまくやってこれたのよ!」
わたしを守っていつも叩かれ罵られていた双子のお兄ちゃん
お兄ちゃんは身体中いつもあざだらけだった
「やめてよまま!そんな叩いたらお兄ちゃん死んじゃうよ!」
「こんなことくらいで死ぬわけねぇだろ!」
タバコを持つ手を振り上げる母
赤く光る先端を押し当てようとする母
鬼のような形相で睨む母
恐怖でどうすることもできず震えてその火を見ていると
ドンっ
わたしを突き飛ばして
ジュッ
代わりに兄が火傷を負った
そんなことが何回も繰り返されてきた
小さくてもたくましい背中5歳の背中
その背中はわたしのためについたケロイドでいっぱいだった