長男・長女の恋模様―真面目×真面目=?!?
「私も初めて会った時から気になってました。でも麻里花のお兄さんだし、私なんて妹の友達で妹同然にしか見えないだろうと思って……。ずっと好きで、でも今回伝えてみてダメなら諦めようと思ってました」
私を抱きしめてくれてた腕に力が入った。
「ごめん。もっと早く伝えてたら良かった。もっと早くに諦められてたら、俺は立ち直れなかったよ。間に合ってよかった……」
そして、目と目を合わせて悠斗さんが言う。
「梨乃?好きだよ。愛してるんだ。付き合ってほしい。結婚も視野に入れて」
悠斗さんの言葉に呆気にとられる。
今悠斗さんはなんて言った?
その言葉を理解すると、じわじわと落ち着かなくなる鼓動に私の顔は真っ赤になる。
「ふふ、梨乃顔が真っ赤だよ?ホントに可愛いね」
そう微笑むと頬と額にキスされて、驚いてひっくり返った声を上げる。
「ゆ、悠斗さん?!?」
真っ赤になりつつ叫ぶ様に名前を呼ぶと、悠斗さんが言った。
「梨乃、付き合ってくれる?」
甘くて蕩けるような微笑みを浮かべて聞かれる。
やっと実感が胸に湧き上がってきて、私は素直に答えた。
「はい。私も悠斗さんが大好きです」
そう返事をして、抱きしめてくれるその胸に顔を寄せた。
そうして私の長い片想いは終わりを迎え、初めての恋人が出来た。