ミラートリック~キミの優しすぎる愛に溺れる~
そんなあたしに、ハルはありがとうと言う。

それだけで、心が満たされる。

溢れ出す涙は、悲しいからじゃない。

ただただ、嬉しかったんだ。


「ありがとう、ハル」


涙が邪魔をして、ちゃんと伝わったかわからない。

だから、何度も口にする。


「これからも、俺の隣にいてくれる?」


そのハルの言葉に、あたしはただ頷いた。

頭上から、安堵したハルの笑いが漏れた。

人生には、たくさんの選択と言う分岐点が存在する。

その度に迷い、揺らぐ。

この道が正しかったのか?

もっと、他の選択があったのではないか?

振り返り、悩み立ち止まる時もある。

それでも、前に進まなきゃイケない。

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