BAD & BAD【Ⅰ】
心臓が重く軋むように、ドクンと鳴りながら圧縮した。
「お前は、どうして“悪”になったわけ?」
「さあ?」
私はいつから、“悪”になったんだっけ。
――あぁ、そうだ。
私が“悪”になったきっかけは、“あの日”。
『ヒーローか悪役になればいいんじゃねぇの?』
悪役になる道を、選んだ。
他でもない、自分自身で。
どうしてか、なんて。
そんなの決まってる。
自分が悪くなるしか……それしか、道はなかったんだ。
“あの日”から、私は。
真っ黒に、染まってる。