好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】
「……真紅は何してるんだ?」
海雨の背中に隠れた真紅を見て、黎は首を傾げた。
む、向こうからやってきただと……⁉ サービスし過ぎではないか⁉
急に逢えるようになった黎に、戸惑っていた。
「って言うか黎さん! いつの間に真紅に手ぇ出したんですか! わたしの許可もなしに!」
憤慨する海雨だが、声は楽しそうだ。
「ごめんな。梨実の友達とは知らなかった」
黎は苦笑気味に言う。海雨のこと、黎には筒抜けか。