好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】
「恋人、男の人だったの」
「………」
さすがに黎、閉口した。
「ママと結婚したんだけど、元がそうだったみたいで、行方不明になっちゃった。それが原因でママ、桜木の家から縁切りされちゃったの」
「……真紅は、大丈夫だったのか?」
「風評被害? とかはないよ。知ってる人ほとんどいないし、私が話したのは黎で二人目だし」
「一人目は架か?」
「海雨だよ。なんで桜城くんが出てくるの」
真紅が首を傾げて黎を見上げると、黎はバツが悪そうな顔をした。