好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】
「俺が愛人の子って立ち位置だから、誠さんの後継者には正妻の息子である架を推す声が強いんだ。ただ、弥生さんは俺を指名してる」
「それって……」
「一応長男ではあるからってことで筋は通ってるんだけど。
俺は弥生さんの彼氏とも逢わせてもらってるし、その時から架のことも聞いてるから、弥生さんが架を据えようとしない理由は、桜城の血を引いてるのは俺だけだからだな」
「逢ったことあるんだ?」
「誠さんや美愛さんとも友人だったからな。
……架は、跡継ぎは俺にっていう、弥生さんの影響を小さい頃から受けてるから、俺を家に戻したいんだろ」
「小埜さんの家には、家出していったわけではないんだっけ?」