好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】


「一応、小埜の家に保護されてるって形になってる。

俺は鬼人と、更に吸血鬼の混血だから、陰陽師――小埜の稼業がそれなんだけど――陰陽師ってやつのもとで、俺がどの程度人間に近いかとか、どれほどの鬼性があるかとか、調べるって意味で小埜の家に」


「それで……小埜の苗字を?」


「完全に監督されるから、小埜の家に住むことが前提だった。

苗字を一緒にしておけば親戚とかと思わせられて説明が減っていいからって、今の当主のじいさんがな」
 

黎の事情は、聞くほどに複雑だ……。


「桜城くんは、今の話は……」

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