好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】
「自身の出生に関わるところは全く知らないと言っていい。俺の方は家の奴に伝え聞いた程度だろう。……両親のことは、俺から話す気はない」
「……それを話したら、黎に家に戻れって言わなくなるんじゃ……?」
「かもしれんが、あいつは家のことを誇りに思ってるフシがあるからな。そこまでぶち壊せない」
「桜城くんのこと、嫌だったわけじゃないんだ?」
「嫌なわけないだろ。籍の上だけだと言っても、弟だ」
「―――」