好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】
「そっか。よかった」
「……うん」
逢いたい。逢いに行きたい。その銀色の瞳を、また見たい。
何度でも、逢いに行きたい。
首に残った痕を心配して困ったような顔をしたら、大丈夫だよと伝えたい。
この痕のおかげで、生きているんだよと、言えるようになりたい。
(――言える自分に、なりたいんだ)
「桜城くん――架、くん」
「ん?」
「私、自分の血に、克(か)ちたい」