好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】


(私さ、黎がすきなんだ。るうちゃんは、黎のこと知ってるかな?)
 

紫色の小鳥はぴくりともしない。寝入っているのだろうか。


(でもね、私は、黎にとって毒なんだって)
 

毒は殺人の方法の一つだ。


近代ではそうでもないが、古来、腕力で劣る女性による殺害の道具であった。
 

毒に魅入られた歴史上の人物なんて、危ない人しかいない。


(私も、自分の血が嫌い)
 

すきな人を殺してしまいかねない血で生きているなんて。


(けど私、この血でなかったら、黎に逢えてたのかな……?)
 

そこを天秤にかける意味はない。


少しでもこの血を正当化したいだけだ。


じゃないと、自分でこの血を、狩り尽くしてしまいたい気持ちになるのだ。


『真紅嬢よ』


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