好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】


「紅亜様とよく似ていらっしゃるだろう。だが、性格は真反対というべきか。紅亜様のように穏やかな気性ではなく、荒々しく物々しい母だ」


「も、物々しいの?」
 

それって性格に対する評価でいいのだろうか。


「ああ。短気だ」
 

今度は一言で片づけられた。
 

どんな人なのだろう。母と同じ顔の、双児の妹――


「逢ってみたい」


「うん?」


「私、紅緒様に逢ってみたい」
 

真紅の言葉を聞いて、黒藤は片眉をあげた。

< 391 / 447 >

この作品をシェア

pagetop